顔にできるプツプツ・ブツブツ その1:稗粒腫
何回かに分けて、当院で相談の多い【顔にできるプツプツ・ブツブツ】についてお話しようと思います。
メールなどでもよくご相談のあるのが【顔のプツプツ・プツプツ】です。すでにご自身で稗粒腫、汗管腫、イボなど診断をして来られる方もいますが、メールで治療法の質問を受け答えても実際に症状を診ると別の診断で治療が異なってくる場合が多々あります。
多くは良性のものであえて治療する必要はないのですが、治療を希望して来院される方は「しみはファンデーションで隠せるけど、凹凸は隠せない。気になって触ってしまったり自分でひっかいたりして痕がひどくなってしまう。」とおっしゃります。確かに凹凸はライトや太陽光の当たり具合で結構目立ちます。
ではまず今回は『稗粒腫:はいりゅうしゅ:millium』です。ひりゅうしゅとも呼ばれます。稗粒腫は帽針頭大から粟粒大の白色から黄白色の硬い丘疹で、できる場所は主に顔が多く、目周り、頬、額に見られます。当院に来院される患者さんを診ていると早い人は小学生でも見られ、20-30歳代くらいまでは目周り、頬に多く、40-50歳以上からできてきた方は額、鼻・鼻周り、頬に好発する印象があります。当院の稗粒腫の治療は保険診療で行っています。針で小孔を開け専用の器具で内容物を圧出します。炭酸ガスレーザー(自費診療)で治療をされている病院もあるようです。治療後(保険診療)は数日から1週間ほどで治療部位は目立たなくなってきます。治療後お化粧は可能です。
その他、よく聞かれるのは稗粒腫の予防法はないですか?治療するればもう一生できないですか?治療費はいくらですか?という質問です。
稗粒腫の予防法は、残念ながらありません。よくリッチなアイクリームを塗ったらできたとおっしゃる方がいますが、稗粒腫の好発部位が目周りですのでクリームの影響ではないと思います。稗粒腫に皮膚症状が似ている面皰(白ニキビ)はディフェリンゲル(アダパレン)やベピオゲル(過酸化ベンゾイル)といった塗り薬があり、稗粒腫を面皰(白ニキビ)と判断し処方されているケースはあります。
稗粒腫は治療すれば一生できないという事はありません。やはりできやすい方は再発頻度は個々異なりますが、また同様な部位に出てきます。出来たら治療を受けるのがお勧めです。
稗粒腫の治療費(保険診療)は、初診、再診、治療数で若干ことなってきますが、保険3割負担の場合、窓口での負担は約700~1300円です。
当院に治療に来られる稗粒腫の患者さんはかなり小さい状態の方も来られます。あまりに小さく治療できない場合もありますが、「治療は無理だと思っていたので、出来て良かった!」と喜んでいただける治療なので私もやりがいを感じています!(^^)!